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第63回日本臨床化学会年次学術集会

集会長挨拶

吉田 博
慈恵大学理事・東京慈恵会医科大学附属柏病院 病院長
東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座 教授

 この度、第63回日本臨床化学会年次学術集会の集会長を担当することになり、2023年10月27日(金曜日)~29日(日曜日)の3日間、東京都千代田区ソラシティカンファレンスセンターにおいて開催いたします。東京慈恵会医科大学が学術集会を担当するのは日本臨床化学会の歴史上初のことでございますので、身の引き締まる思いであります。
 わが国では2020年から続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行の波が幾度も繰り返し、2023年は始まりから第8波のなかにあって夏には第9波の状況となり、インフルエンザの流行も若干あります。しかしながら人類は、これまでの歴史のなかで幾つもの困難を乗り越えて、経験・学び・知とともに努力を重ね現在に在ります。
 世界的・国家的課題である持続可能な開発目標・SDGsのなかで、目標3「すべての人に健康と福祉を」には、医学・医療の果たす役割が大きいことは論を俟ちません。またビッグデータ・デジタル革命・技術革新がどのように医学・医療を変えていくかが注目されていますが、そうしたなかで基本となるのはデータを発信する臨床化学をはじめとする臨床検査医学の成果の結実に他なりません。日本臨床化学会は広範な臨床化学研究分野から、実践的な標準法等の勧告、産学官連携も含めた新規検査法の開発や検査精度の維持・向上など、臨床化学の学術と臨床検査現場の活動を発展させるのに欠かすことができない貢献を続けています。かかる意味から、今回の学術集会のテーマは「持続可能な医療の質を支える 臨床化学の発展」としました。発見・発明そして社会実装など不断の努力の成果が、臨床化学および関連する周辺分野の世界のなかで展開しています。こうした確かな果実あるいは今後期待される成果を皆様と共有し、臨床化学の未来について共に語り合う場として第63回日本臨床化学会年次学術集会がお役に立てればと存じます。
 主な学術プログラムとしては、特別講演として矢冨裕先生(国際医療福祉大学大学院長)から「医療の質を支える臨床化学の発展と社会実装」、柳沢正史先生(筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS))からは「睡眠の謎に挑む:『眠気』の実体を求めて」をご講演いただきますが、まさしく今回のテーマを代表するご講演であり、学会参加の皆様に多くのメッセージが伝わることと期待しております。そして集会長講演およびエキスパートの先生方による教育講演3題の他に、シンポジウム9個、企業シンポジウム1個、YIAシンポジウム1個、一般演題・学生演題106題のご発表、共催セミナー11個をはじめ多くの各種ご協賛を賜り、皆様のご協力で盛会に開催できる準備を進めることができています。また可能な範囲のなかで、学会参加者の皆様が交流を深めるように、2日目、10月28日(土曜日)の夕方からは懇親会を企画しております。そのなかでは、公益財団法人静岡県舞台芸術センターの宮城嶋遥加様による朗読劇「三保松原 羽衣の夢」がございますので、是非お楽しみください。
 多くの学会員ならびに検査関連メーカーの方々をはじめ、臨床化学をともに語らう多数の皆様のご参加をお待ちしております。ご高配のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

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